今までの常識はもう古い!?
平年を大幅に上回るような過酷な猛暑が襲う日本の夏で、熱中症になる人が相次いでいます。
しかし、今では昔言われていたことが必ずしも適切ではない、ということが分かってきています。この機会に正しい知識と対策を身につけ、いざというときのために備えましょう。
◆熱中症とは
熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもる状態を指します。これにより体温が危険なまでに上昇し、多くの体調不良を引き起こします。
○主な症状
・めまい
・立ちくらみ
・吐き気
・体のだるさ
・頭痛
夏場の屋外など気温の高い場所で体にこれらの異変を感じた場合は、まず熱中症を疑い、早急に対策を講じることが重要です。
〇熱中症の原因
熱中症の原因は主に高温と湿度の組み合わせです。初夏や梅雨明け、夏休み明けなど、体がまだ暑さに慣れていない時に気温が急上昇すると、熱中症のリスクが高まります。また十分な水分や塩分を摂取していない場合や、寝不足や過度の疲労があると体温調節機能が低下しやすくなります。
特に日常生活において、暑さに対する適切な対策を講じることが予防の鍵となります。
◆熱中症の予防方法
〇暑さを避ける
熱中症を予防するためには、まず暑さを避けることが重要です。日中の高温時にはできるだけ屋外での活動を控えるようにし、必要な外出時には日陰を探して適度に休憩するようにしたり、適切な帽子や日傘を使用したりすることで直射日光を避ける工夫をしましょう。
室内ではエアコンや扇風機を利用して涼しい環境を保つことが有効です。
⚠注意⚠
外出時にハンディファンで風を当てている光景をよく見ますが、あまりに気温や湿度が高い現代の環境では逆効果になります。
暑い中で風を送っても熱風になるだけで、ますます体温調節機能へ負荷をかけてしまいますので注意しましょう。
〇食事や睡眠をおろそかにしない
暑さと水分だけに気を付けていればいいかというと、そうではありません。
普段から食事を抜く、寝る時間が取れない、などの不摂生をしていると、体の抵抗力が低下し熱中症などへのリスクが高まります。
朝食をきちんと食べる・栄養のある食事を心がける・睡眠不足にならないような生活をすることが大事です。
睡眠環境を整えて快適な睡眠を取ることも大切で、疲労が蓄積しないように注意しましょう。
〇適切な水分と塩分補給
熱中症を予防するためには、こまめな水分と塩分の補給が必須です。高温多湿な環境では汗とともに多くの水分と塩分が失われるため、その補給が必要になります。水分補給を怠らず、特に運動や屋外作業を行う際には、定期的に水分を摂るように心がけましょう。
水分補給のワンポイント
体温調節のため大量の汗をかくと、水分だけではなく塩分やミネラルも失われてしまいます。水だけを飲むよりは塩分も適度に摂取することが大切で、スポーツドリンクや塩タブレットなどを活用することをおすすめします。
〇熱中症予防のための日常生活での注意点
気温が体温に近かったり、それを超えるような異常気象が続いていますので、室内でもエアコンをつける、こまめに水分を摂るといった対処法が望ましいです。
特にやってはいけないこと
×電気代を気にしてエアコンの使用をセーブする(夜間、寝るときも付けておく方がいい)
×寝る前に飲酒する(アルコールには利尿作用があるため)
×水ばかりを大量摂取(水中毒の危険性)
×室温や外気温が高い中で扇風機のみ使用する(熱風で逆効果)
〇スポーツや屋外活動時の注意点
スポーツや屋外活動時には特に熱中症に注意が必要です。続けて活動する場合は定期的に休憩を取り、汗をかいたら水と塩分の補給をしましょう。夏の間はなるべく早朝や夕方の涼しい時間帯に運動するようにし、直射日光を避けるように心がけてください。
また適切な服装を選び、通気性の良い衣服を着ることも重要です。熱中症警戒アラートが出ている場合は特に慎重な行動が求められます。
現在ではあまりに暑さが酷い日は、子供の部活や学校を休ませる親や学校も増えてきました。
気温が異常な上昇をしている今の日本では、無理に外出しないことも妥当な判断だといえるでしょう。
◆熱中症の対処方法
〇初期対応と応急処置
熱中症が疑われる場合、まずはその場から涼しい場所へ移動することが大切です。
高温多湿な環境に長時間いると体温調節機能がうまく働かず、体内に熱がこもりやすくなります。できる限り日陰やクーラーの効いた室内に避難しましょう。
次に体温を下げるために身体を冷やします。
これまでは冷たい水や氷を使って、脇の下、首、太ももの内側など大きな血管が通る部分を冷やすと効果的とされてきました。しかし、それでは間に合わないケースもあります。
救急車が到着するまでの時間にも生命に危険が及ぶこともありますので、全身を冷水に漬けたり体の広い範囲に大量の水をかけ続けて冷やすなどの処置が有効です。
水分と塩分の補給も重要です。
熱中症の症状が出ているときや脱水症状になっている場合、水だけを飲まそうとしても体が受け付けないことがあります。
これは大量の汗をかき塩分やミネラルが失われている状態なので、水だけでは体内の成分が薄まってしまい、体は水分を排出することでこのバランスを正常に保とうとするのです。
そのため、水だけではなくスポーツドリンクや経口補水液をおすすめします。無理に大量に飲ませると吐き気を催すことがあるので、少しずつ摂取させましょう。
ただし、意識がはっきりしておらず、自力で飲み物が飲めない場合は、無理に飲ませてはいけません。誤嚥の危険性があるため、専門家の対応が必要です。
◆熱中症予防アイテム・サービス
最近では、熱中症予防のための便利なグッズや、手軽にケアできる食品なども販売されています。
うまく利用して、今年も夏を乗り越えましょう。
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